「soil」下 持続可能な農業―新プラントとルートデザイン
- 由華 及川
- 8月27日
- 読了時間: 2分
soil(標茶)は2025年夏、北海道標茶町に自社プラントを新設する予定だ。微生物資材「MOOCAL-700」を地元で生産し、より地域に根ざした農業支援を促す。
5月から始めた個別コーチング事業や、2023年から毎月実施する勉強会「ラボ」なども好評。農業従事者に「経営者」意識の向上を促し、横のつながりを深める場を提供する。
■ “地元でつくる”という選択
現在、MOOCAL-700は静岡で製造されているが、今村氏らの活動拠点は北海道だ。
距離的なギャップを埋め、より地域密着型の体制にするため、新たなプラントを標茶町に建設することを決めた。道内でのさらなる普及にむけ、生産量の拡大を目指す。

■ 勉強会でのあたたかな交流
soilの事業は、MOOCAL-700の販売・普及促進のほか、有機JASの申請支援や酪農飼料の供給、そして農家向けのコーチング事業など多岐にわたる。
月1回の勉強会「ラボ」は、soilの社屋に近隣の農家が集まり、テーマを基にしたディスカッションを展開。遠方からの訪問やMOOCAL-700の購入者以外の人も自由に参加でき、情報交換や自然な学びあいが展開される。
「合間に食事を共にするが、ご飯を一緒に食べると大体腹を割って親しくなれる。自由に交流してもらう場所として活用してほしい」(西神氏)。
■ 自分の知らない自分を引き出すコーチング
5月から始めた農家の個別コーチング事業には、「ルートデザイン」を活用している。

人と土、植物の類似性に着目し、自身の「根(ルート)、思い」と「目(上物、今の状態)」現状と理想の2枚の絵として可視化した。
理想を目指すための道筋を、対話を中心とした3か月のプログラムで提供する。
「方法論では人は変わらない。本質と丁寧に向き合い、その人が思ってもいなかったことをコーチングで引き出す」(今村氏)。
■ 持続可能性とは「人の力」
soilが考える「持続可能な農業」とは、環境配慮のみにとどまらない。重視するのは「内面への問いかけ」だ。菌と同様、人にも“余白”を与え、未来を自ら想像する力を育むこと。それがsoilの目指す農業の姿だ。






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